海外介護事業サポート

介護技術解説動画の英語吹替

フィリピンのロックダウンが8カ月目に突入しました。依然としてフェースシールドとマスク着用義務があり、移動の制限もあります。海外からのフィリピン入国も少しずつ緩和してきているものの、就労ビザ保持者や旅行者が自由に往来できるようになるには、まだまだ時間が掛かりそうです。経済的なダメージも深刻です。

とはいえ、11月にはいるとフィリピンでは本格的にクリスマスモードに入ります。オフィスやコンドミニアムのロビーでもクリスマス仕様に様変わりしました。流れてくる音楽もクリスマスソングです。

クリスマスパーティのために働いていると言われるフィリピン人の皆さんですが、今年はコロナの影響で100年に1度の特別なクリスマスになりそうです。この状況下で、どのようにクリスマスをお祝いするのか、ポジティブシンキングのフィリピン人ですから、きっと楽しい方法を見つけ出すと思います。

さて、そんな長期ロックダウンの中、まごのてグローバルの介護教育は完全オンラインとなって継続しています。特定技能公式テキストの解説動画は全て出来上がりました。公式テキストとこの解説動画を見て勉強すれば、大方は試験合格できます。

しかし、介護の理念や体の構造などの知識は得ることができますが、対面での授業ができませんので、介護技術指導が課題です。オンライン上で介護の実技指導は難しいですからね。テキストの解説動画のように、動画を事前に作っておく必要があります。

とはいえ、介護技術指導動画を一から作るとなると、コストと時間が掛かります。そこで、既に出来上がっている日本の介護技術解説動画に英語のサブタイトルと英語の吹替えを加えて、動画をリメイクするプロジェクトを始めました。

オリジナル動画は、1~2分の短い介護技術動画を素晴らしいクオリティで作っているカイゴ大学さんから無料で提供いただきました!カイゴ大学さん、ありがとうございます!!

実際の作業となると、英語のサブタイトル付けは私が四苦八苦しながらもなんとかできますが、英語の吹替え作業は日本人の私では不十分です。そこで、介護クラスの在校生や卒業生に依頼して、吹替え作業を行ってもらっています。

1つの動画に1人の生徒さんとして、毎回別々の生徒さんに依頼しています。このプロジェクトを通して、生徒さんとの交流を深めていこうという狙いもあります。

現在20作品が出来上がりました。年内に30本以上作成していく予定です。オンラインでの授業をより魅力的に、より役立てるように頑張ります。

 

認知症ケア専門士へのチャレンジ

フィリピンのロックダウン期間がとうとう6カ月目に突入しました。フィリピンのテレビ局ABS-CBNによると、フィリピンの失業者の数が約2700万人、失業率が45.5%ととんでもない数になっています。

感染者の数は依然として3000人~4000人と毎日増え続けており、病院もすでに満床で患者が受け入れられない状態のようです。

したがって、私たち外国人は、病気になっても病院には入れませんので体調管理が一層大切になります。また万一コロナにかかってしまい、入院すると治療費が1Mペソ(約200万円)くらい掛かるようです。なおさら病気になんてなれません。

医療従事者の数も足りないようで、政府が医療従事者に病院で働くよう呼び掛けています。その一環として、医療従事者の国外就労を一時的に禁止する法律を施行しています。フィリピン国内の病院で人手不足なのに、なぜ海外で医療従事者が働きに出るのか、といった事情はよくわかります。

一方で、まごのてグローバルのビジネスの柱が、フィリピン人介護士の教育と、日本への介護人材の送り出しになります。フィリピン政府の意向は理解はしているものの、事業としては大きなダメージを受けています。

教育はオンラインで継続していますので、来日の準備が整ったフィリピン人介護士の数は増えていますが、出国できずにもどかしい状況が続いています。

しかし、まごのてグローバルだけでなく、フィリピン全体、そして世界全体で苦しい状況ですので、何とか知恵を絞ってこの状況を乗り切るように試行錯誤をしています。

このように、ウイルスの脅威がある世の中では、国をまたいで行うビジネスだけではなく、オンラインで完結できるようなビジネスを作っていく必要性を痛感しています。

そこで、Zoomを使ったオンラインセミナーや、オンラインでの介護の英語クラスをスタートしました。まだまだ収益化にはほど遠い状態ですが、何事もスタートしなくては始まりません。

話は変わりますが、知人のご縁をいただき、日本認知症ケア学会と繋がり、国際認知症ケア連合( International federation for dementia care)のフィリピンでの啓もう活動のお手伝いをすることになりました。

国際認知症ケア連合では、今年からオンラインで認知症ケア専門士の受験ができるようになります。フィリピンで資格を取得してもインターナショナルで使える資格になりますので、今後は海外から英語で受験する人も出てくるかもしれません。

介護の英語クラスの学習の先に、英語で認知症ケア専門士の資格取得を目指すようなカリキュラムができれば、介護の英語を学びたいという需要が出てくるかもしれません。まずは、まごのてグローバルとして認知症ケア専門士の資格を取得するべく、12月に受験します。

このコロナ危機をチャンスに変えられるように、出来ることはなんでもチャレンジして、頑張ります!

 

2020年、介護業界の開国

2020年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。2020年は介護業界の開国の年になります。技能実習生、特定技能、介護留学などなど、さまざまな在留資格で外国人介護士が日本の施設で活躍することになるでしょう。

昨年、パキスタンの女性から一本のメールがありました。とても丁寧な日本語で、『日本で介護士として働きたいです、サポートしてもらえませんか』との内容です。私がフィリピン人介護士に対して、日本就労の支援をしていることをネットで見つけて連絡をしたようです。

『パキスタン』にいる人が、『フィリピン』にいる私に、『日本』で介護士として働く相談をしたのです。

この事実からみても、世界は待ったなしでボーダレス化しており、ネットやSNSを通して世界中の人々と繋がれる世の中になりました。この大変革を、困ったことと捉えるか、チャンスとして捉えるかで、その人のこれからの人生が変わっていくかと思います。私は、日本の介護業界にとってこの大変革は、ものすごいチャンスだと感じています。

そもそも、他国では外国人が自国の子供やお年寄りの面倒をみることはすごく当たり前なことなのです。ちなみに去年産まれた私の息子は、週6回フィリピンのベビーシッターさんにお世話になっています。言葉や文化の違いなどは大した問題ではなく、人としての信頼関係が構築ができていれば、お互いにとってメリットになります。

日本は良くも悪くも、そこそこ人口があったため自国内で経済が回り、また島国であるため人の移動が少ないという環境にありました。しかし、これからは『人』も『モノ』も『お金』もボーダレスに移動していきます。この流れは誰にも止められません。

介護業界の開国によって、思いもよらない『ハピネス』までも勢いよくまで日本に流れ込む、そんな予感がプンプンする2020年の始まりです!

介護職は職人?

最近、海外で活躍する介護士とのつながりが増えてきました。

外国人介護士の受入れが本格化し、Facebookでも外国人介護士についての情報交換グループが活発になってきました。その中で、ベトナムで介護士として働いている日本人の方と知り合いました。まだ会ったことはありませんが、Facebookやスカイプを使ってベトナムとフィリピンの介護人材について情報交換をしています。また、日本に留学して社会福祉を学び、現在は外国人介護士受入れについて講演会やセミナーを行っている中国人の方とも繋がりました。彼女は大学の同窓生ということですぐに意気投合できました。SNSのおかげで、フィリピンにいながらも世界中の人と簡単に繋がることが出来る、ありがたい世の中になりました。

さて、先日件のベトナムの介護施設で働かれている方が企画する、『世界をつなぐKaigoカフェ@ハノイ』が開催されました。ゲストには、介護福祉士としてNHKプロフェッショナル仕事の流儀に出演されたり、「注文を間違える料理店」のきっかけとなった、インクルーシブな認知症介護の取り組みを実践されたり、とご活躍の ”和田行男さん”を迎えられたようです。その和田さんが、〝介護職とは何か?〟という質問に対しての答えがとても印象的でした。

ずばり、『介護職はリハビリ師である』

リハビリテーション語源はRe(再び)habitats(適した、ふさわしい)、リハビリテーションとは本来、訓練のみを意味せず、「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われる”すべての活動”をさします。和田さん曰く、介護はリハビリテーションであり、介護職は生活環境を整える職人であり、その意味で介護職はリハビリ師だ、とのことです。

介護職は『職人』という発想に、妙に納得してしまいました。実は、私は7年ほどマッサージ師として働いていました。

マッサージ師も職人です。彼らは己の技術でお客様を喜ばし、報酬を得ます。そのため、自らの技術を高めるために研鑽を積み、その技術は自らの拠りどこりになっていきます。マッサージ師同士が集まれば、身体の話、マッサージ技術の話、そして、スペースがあればマッサージの技術交換が行われます。職人とは、ある意味、その分野でオタクのような存在になっていくのではないでしょうか。

では、介護職人とは何でしょう。私がイメージする介護職人とは、〝利用者さんひとりひとりの生活環境を快適にするために、オタクのように突き詰めて考えて、仲間と協力しながらサービスを提供してくれる人〟です。実際に私が介護現場で働いていた時には、『介護職人』ともよべる素晴らしいサービスを提供していた先輩方がいました。どんなに気難しい利用者さんでも、介護職人が現れると瞬く間に、笑顔になります。どんなに複雑な状況でも、介護職人が指揮をとると、あっという間に改善していきます。そんな魔法のようなことが出来るのは、常に、利用者さんの生活環境をどのようにして整えていけばよいかを考えているからであり、そして、自ら考えたことを実践し続けているからだと思います。

マッサージ師も、介護職員も、己の仕事に一途に、そして真摯に取り組む姿勢は、まさに『職人』であるなと、和田さんの発言を聞いて思いました。そんな介護職人がもっともっと増えていけば、歳をとることが少しだけ楽しくなってきますね。

グローバルリーダー育成プログラム レポート②

今月は東京の医療法人様から7名の方がマニラにいらっしゃいました!

こちらの医療法人様からのご依頼は今回で3回目、計21名の方々が研修のためにお越しになられています。これから始まる、介護業界のグローバル化にいち早く取り組まれて、最も大切な【グローバルリーダーの育成】に時間とお金を投資されているのは、本当に素晴らしいことだと思います。私も毎回気合を入れて研修ツアーに臨んでいます!

到着した初日に、地元住宅街の散策です。フィリピン人介護士が育った生活環境を体感してもらいます。フィリピンはサブデビジョン(住宅分譲地)が一般的であり、エリアごとに住宅地が区切られています。富裕層の場合、サブデビジョンは壁で区切られていて24時間体制でセキュリティガードが付いています。エリアごとに明確な経済格差が見てとれます。

散策後は、この研修ツアーに欠かすことのできない【異文化コミュニケーション】のワークショップと、社会起業家の中村さんによる【異文化理解】の講演です。『日本人の強みと弱み、フィリピン人の強みと弱みを深く理解し、両国民が補完関係を築くことで新しい価値を生み出すことができるのではないか?』こんな問いかけをツアーを通して皆さまには感じてもらいます。

翌日は、これまた欠かすことのできないプログラムである、【東京コンサルティングファームの朝会参加】です。異業種の専門家がどのようにフィリピン人スタッフのマネジメントを行っているのかを学びます。

朝会参加のもう一つの狙いは、『外国人介護士が日本の申し送りに参加した時の心境を疑似体験する』ことです。病院や施設で必ず行う【申し送り】は結構緊張しますよね?その雰囲気の中で、周りはすべて日本人、そして日本語で申し送りをすることは外国人にとっては大変なチャレンジになります。その気持ちを、周りがフィリピン人で、しかも英語で発表することで体感してもらいます。

続いて、フィリピンの病院見学です。医療後進国と思われがちのフィリピンですが、日本に負けないくらいの設備の病院があります。

小休止で、フィリピンのローカルレストランへ。フィリピンのチキンは美味しいですよ~。

食べ終わったら日本語学校の視察、そして生徒の前でのプレゼンテーションです。今回は、けん玉と羽根つきを生徒に教えて頂きました。一生懸命英語を使って説明する姿勢が素晴らしかったです!!何事もチャレンジですね!!

移動手段もチャレンジです!庶民の足であるトライシクル&ジプニーも体験してもらいました!

2日目最後は、異業種交流会です。フィリピン人家政婦さんに料理作ってもらいました!様々な業界の方との交流が、この研修プログラムの特徴になります。他業界からの視点を持つことで、新しい発想で介護業界を見つめることが出来るのではないでしょうか。

そして、3日目の朝、いよいよ介護実習になります。まずはフィリピンでもっとも有名なファーストフード、ジョリビーで朝食です。

朝食と買出しを終えて、この研修ツアーのメインイベント、デイケアサービスに参加している高齢者との交流会になります。まずは、Zumbaに参加してもらい、フィリピン人の音楽センスとダンス力をレベルの高さを体感してもらいます(笑)

そして、フィリピン側からの出し物、踊りと歌のパフォーマンスです!リズム感が本当にいいですよね~~!!

そして、次は日本側の番です。紙飛行機作りと風船バレーを行いました。風船バレーは白熱して早々に風船が割れてしまい、ゲーム終了に。。フィリピン人のご高齢者は本当に元気ですね(笑)

このように、世代と国籍を超えて一緒に活動をすることで、【異文化理解】や【異文化コミュニケーション】を一次情報として体感してもらいます。

フィリピンのおじいちゃん&おばあちゃんも大満足でお帰りになられました^^

猛暑の中、汗だくだくで、歌って踊って、レクもしてと、皆さんすべてを出し切りました(笑)お疲れ様でした!!

今回も盛りだくさんの研修ツアーとなりました。さすがは成長著しい医療法人様からの管理者やリーダーとして現場を引っ張っている方たちですので、研修にのぞむ姿勢や考え方が素晴らしく、私も多くのことを学ばせていただきました。改めて、日本の介護は世界ナンバーワンだと確信が出来て嬉しくなりました!ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!(^^)!