本日、フィリピンで認知症イベントが開催されました。
直前まで会場が決まらなかったようですが、最終的にはバスケットコートのある体育館になりました。屋根付きではありましたが、一部で雨漏りがあり、おじさん達がモップでせっせと床を拭いていました。

あいにく台風が近づいており、マイクの音をかき消すほどの豪雨の中、1時間遅れでイベントが始まりました。
会場では、なぜかメガネ屋が出店しており、50%引きでメガネを売っていました。
「認知症と何か関連があるのですか?」
売り子さんに聞いてみましたが、結局よくわからず、謎に包まれたままです。

◆音響トラブルと豪雨のなかで
さて、開会のあいさつのあと、お医者さんによる「Brain Health and Dementia Prevention(脳の健康と認知症予防)」のレクチャーがありました。

案の定、音響トラブルが発生し、マイクが全然機能していません。外は豪雨です。一生懸命話しているのに聞こえず、気の毒になりました。
しばらくしたら、自分も同じ目に遭うのか……。
そう思うと、まったく他人事ではありません。幸い、途中から音響が復活してくれたので助かりました。
広い体育館。外は豪雨。聴衆は地元の人々。

このシチュエーションでプレゼンをするのは、なかなかの難易度です。小さい子供もいれば、高齢者のグループもいます。30分間、彼らの関心をひきつけ続けるのは至難の業です。
◆苦い経験が、血肉になっていた
とはいえ、私もそれなりに修羅場を潜り抜けてきました。こういう状況を想定して、景品のお菓子を多めに用意したのです。
クイズとお菓子で関心をひきつけつつ、その合間に認知症ケアの大切なエッセンスを組み込んでいく。それでも後半は聴衆の集中力が切れてきたので、話を省略して切り上げました。

以前の自分なら、時間調整も関心を保つ術も知らず、ステージ上でピエロになっていたと思います。苦い経験がしっかり血肉になっていることを、実感しました。
◆一人の観客との出会い
パフォーマンスのあと、一人の観客が近づいてきました。
「すごく分かりやすくてよかった!プレゼンの写真を使ってもいいですか?」
田舎にいる家族に、今日の話を伝えたいのだそうです。その田舎では、高齢者への虐待もあるといいます。
彼はNational Commission of Senior Citizens(国家高齢者委員会/日本でいう厚労省の高齢者部門にあたる政府機関)で働いており、だからこそ認知症教育の必要性を肌で感じていたのでしょう。

認知症紙芝居のオンラインプログラムも行っていると伝えると、同僚と受講できるよう上司に話をしてくれるとのことでした。
こんな感じで、一人でも誰かの心に響いたのなら大成功です。泥臭くも、着実に、日本の介護を世界に届けていきます。
