フィリピンでの生活

ボクシングジムでの学び⇒コミットメントする力

私の趣味の一つはボクシングです。先日はフィリピンの英雄マニー・パッキャオが、WBA世界ウェルター級タイトルマッチに見事勝利!!初防衛に成功しました。マニー・パッキャオは40歳、対戦相手のエイドリアン・ブロナーは29歳です。年齢差をものともせず、40歳で世界タイトルマッチで戦い、しかも勝利することがどれほど大変なことか。よほどの覚悟と努力がないと成し遂げられない偉業だと思います。

フィリピンの英雄、マニー・パッキャオ

そんなマニー・パッキャオを生んだ国、フィリピンでは、ボクシングがとても盛んです。フィリピンに来てよかったことの1つには、格安でボクシングが出来ることですね!

以前は徒歩10分くらいのボクシングジムに通っていたのですが、そこで知り合った同じ年のフィリピン人が、ボクシングジムを経営することになりました。ちなみに、彼の本業は人材派遣で主に中東にフィリピン人ワーカーを送っています。そして、趣味でボクシング、キックボクシング、柔術といろいろな格闘技をしており、アマチュアの試合にも出ています。普段は穏やかなのですが、『相手がノックアウトする瞬間がたまらなく楽しいよ』と怒らすと恐ろしい男です(*_*)

怒らすと恐ろしい友人のLuke

その彼から久しぶりに連絡があり、新しいジムをオープンしたから来てくれとのこと。場所を調べてみるとなんと私のコンドミニアムから徒歩3分のところでした!私は仕事前にジムに行くため、徒歩10分が3分に短縮されるのはとてもありがたく、しかも彼のジムの方が設備が充実しており、それ以来彼のジムに通うようになりました。こんな近くにジムを作ってくれてありがとう、Luke!(^^)!

Lukeのジムでトレーナーと
Lukeと彼のジムにて

Lukeと一緒にジムで練習をした時に、もとナショナルチームのコーチArloを紹介してもらいました。『Jackは絶対にコーチArloのプライベートレッスンを受けたほうがいい』と強く勧められたため、あまり乗り気ではなかったのですがコーチのレッスンを受けてみました。

流石は、もとナショナルチームのコーチ。練習メニュー、教え方、声掛けの仕方、すべてがプロフェッショナルで本当に勉強になるレッスンでした。唯一の問題は、練習がきつすぎること。。2時間みっちりの練習メニューであり、趣味レベルのノリで受けられるレッスンではありません。終わった後の爽快感は素晴らしいものがありますが、練習前には覚悟が必要になります(^^;)

コーチArloとの練習
毎回体力ぎりぎりまでシゴカレマス。。

マンツーマンのレッスンでは、私の体力がもたず、とは言ってもコーチのレッスンは魅力的なため、どうしたらよいかと考えた結果、コーチのレッスンを一緒に受ける仲間(生贄?)を探すことにしました。コーチの関心が2手に分かれれば、私の身体の負担は1/2までにはならないまでも、多少は軽減できます。そんな姑息な理由のために、ボクシング仲間を探しをスタートしました(^^;)。しかし、そのおかげで後に、深い学びを発見したのです。

意外と『ボクシングやってみたい』という人はいるようで、『ジムに一緒に行こうよ』と誘うと、大体『OK』と言います。しかし、そこから実際にジムに来る人は半分以下になります。日程を合わせて決めていても、突然の用事が発生し来られなくなる人も多いです。フィリピン人に限って言えば、約束通り来るほうが少ないですね(笑)

ただ、ジムに来ればさわやかな汗を流し、普段の運動不足や食べ過ぎからの自己嫌悪感を払拭でき、とポジティブな気持ちになります。そこで、『また来週一緒に行こうよ』と誘うと、ほとんどの人が『OK』といいます。しかし、2週連続で来る人は確率的にはかなり少ないです。皆忙しく、突然の用事が発生してしまうのですね(-_-)

そんな中、私が誘ってから継続してボクシングジムに通ってきている方が2人います。2人とも経営者です。彼らの特徴は『約束を守る』こと。一度日程を決めたら、その日程を変えずに実行します。つまり、自分の言動に対してのコミットメントが高いのです。

ボクシングの約束くらいでコミットメント云々を言うのも大げさかもしれませんが、仕事ではなく趣味活動だからこそ、その人の物事に対するコミットメントする力を垣間見ることが出来るのではないかと思います。継続してジムに通っている2人がたまたま経営者なのか、経営者だからこそ私との約束を常に遂行し、ジム通いが習慣化するまでもっていけたのかは、事例が少ないためまだわかりません。

しかし、誘う立場の人間は、どの人がどんな理由で約束を守らなかったかを覚えていて、それが次の判断材料になるかというのがよくわかりました。『誘われる人』のポジションだけでは見えてこない、『誘う側』さらに『誘い続ける側』に立ったからこそ見えてきた視点だと思います。姑息な理由からスタートしたボクシング仲間探しから意外な気づきへと繋がりました。

自分の過去を振り返ってみても、いろいろなシーンで約束を守れなかったことがあります。それは、自分が思っている以上に、相手にとっては自分の価値を下げる影響を与えてしまっているのだなということが分かってきました。今は信頼の時代。『約束を守る』というシンプルなことが一層大切な時代になりましたね。ボクシングで体だけでなく、心もしっかり鍛えて、『約束を守る』という強いコミットメントする力を身に付けていこうと思いました。

コーチArloとボクシング仲間

フィリピンのデイケアサービス

National Center for Geriatric Healthというフィリピンの国立高齢者専門病院の視察に行きました。

今回の訪問に先立ちネットで情報を収集し、電話で問い合わせをしたのですが、正確な情報が得られず、アポイントメントも取れずで、仕方なく直撃訪問となりました。こんなことはフィリピンではよくあります。

かなり不確かな情報でしたが、毎週金曜日午前中にこちらの病院で高齢者向けのデイケアサービスが行われているということでしたので、金曜日を選んで訪問しました。

午前8時前に到着し、さてアポイントメントもないのでどうしたものかと院内をウロウロとしていると掲示板を発見。月間スケジュールが張られていてそこには確かに〝毎週金曜日午前中にはデイケアサービス〟と書かれていました。『あぁ、無駄足にならずに済んでよかった』と安堵していたところ、そのスケジュールをよくよく見てみると【2017 May】と書かれているではないですか!!今年は2019年1月、一体いつのスケジュールを掲示板に載せているのだろうか。。。

病院のガードマンに『今日はデイケアサービスありますか?』と尋ねたところ、『そんなものはない!』とのこと。。『OMG(オーマイゴッド)( ゚Д゚)』せっかく早起きしてここまで来たのにやはりデイケアサービスの情報はガセネタだったのか。。。すると、たまたま白衣を着た女性が通りかかりました。念のため、その女性にもデイケアサービスのことを尋ねてみたころ『はい、今日の8時からデイケアサービスありますよ』とのこと。そう、これがフィリピンなのです。確かな情報を得るだけでもこれだけのストーリーが必要になるのです。日本だったら電話で問い合わせて一発で済みますよね。これがフィリピンなのです。

ということで、早速その女性に私たちの訪問目的を伝えたところ、興味を示してくれて別室で話を聞いてもらうことになりました。

実はこの女性、老人専門医師でデイケアサービスの担当医だったのです。たまたまではありますが、一番会いたかったキーパーソンにすぐに出会えてラッキーでした。しかし、ただキーパーソンに出会っただけでは、それで終わってしまいます。この出会いを次に繋げ、協力関係を築けるかどうかがビジネスを行う上で大切になります。そのためには『相手が望んでいることは何か』そして『それに対してこちらが提供できることは何か』を明確にしなければなりません。次に早い段階でアクションを起こし、相手に対して私たちの存在が役に立つと思わせることが何よりも大切なのです。日本人の場合、この次のアクションが遅いためせっかくの出会いが、貴重な人脈に変換できないで終わってしまいます。

ドクターの希望は、【日本の進んだデイケアサービスのアクティビティを学びたい】でした。そこで私が提案したことは、以前から高齢者施設で開催しているチャリティランチプログラムです。これであれば、既に実践済なためすぐに企画を進められます。チャリティランチプログラムの中に、デイケアサービスの要素を加えて提供できれば、この病院との信頼関係が築けると考え、オファーしました。ドクターは、もちろん喜んで同意してくれました。開催は2月か3月ということで話をまとめました。

その後、ドクターに院内を案内してもらいました。

 

 

さて、いよいよデイケアサービススタートです。午前8時からの開始のはずですが、担当者が遅れたため結局9時半からの開始となりました。これもフィリピンではよくあることです(笑)

DayCare(デイケア)と書かれたポロシャツを着たグループがどんどん中庭に集まってきました。そして、今日のアクティビティはフィリピン人の大好きなズンバです。

みんな元気ですよね~。ちなみに舞台でダンスインストラクターを務めている方は介護士さんです。フィリピン人のリズム感とパフォーマンスの高さには毎度驚かされます(笑)

 

ということで、突撃訪問から素敵な出会いへと繋がりました。これからこの病院と、どんなプロジェクトやビジネスが出来るのか今から楽しみです!!

フィリピンのダンスパフォーマンス!!

クリスマスシーズンになり、フィリピンではそこらじゅうでクリスマスパーティが開催されています。この時期に日本人がつくづく感じるのは、『フィリピン人はなんてダンスが上手なのだろうか』と。子供からお年寄りまで皆ダンスが本当に上手い!!日本人が到底かなわないレベルである。

そんなフィリピンでのクリスマスパーティには必ずダンスの発表がある。残業はしなくても、仕事後のダンスの練習は黙々と行うのがフィリピン人。本当にダンスが好きなんですね~。そんなフィリピン人の素晴らしいダンスをご覧ください。

 

 


 

 

どうでしょうか?本当に楽しそうにダンスをしてますよね。見てる人を喜ばすためというよりも、自分がめいっぱい楽しむためにダンスをしているようです。その楽しそうな姿をみて、観客も喜ぶのでしょうね。フィリピン人はみな生粋のエンターテイナーです(^.^)

 

 

目に見えないケア

フィリピンで生活していると日本ではなかなか出会えない面白い人に出会います。特に私は交流会を開催していますので面白い人に出会う確率が高いです。その中で最近出会って仲良くしている方は、日本人占い師の女性です。

(イメージ画)

 

日本人交流会で彼女を見かけた時、『ただ者ではないオーラ』を感じました。表向きは不動産業界にいるが、本職は占い師とのこと。私は、(自分とは異なる変わった人)、(何かに突出している人)には積極的に会うようにしているので、早速彼女と会う約束をして、その後占いを受けることにしました。

彼女の占いの基本は占星術で、占いの内容については『なるほど~』と納得のいくことが多くありました。ちなみに皆さんは【帝王切開】の由来はご存知ですか?諸説があるのですが、中国では占星術によって皇帝が生まれる誕生日が決められており、その誕生日を守るために帝王切開で出産したという説があります。生まれた日、時間、場所と天体との関係で、その産まれてくる赤ちゃんの運命がある程度決まるということです。帝王になるためには、この日、この時間に生まれなくてはならないため、自然分娩ではなく、切開して生み出す、ことから【帝王切開】という言葉が出来たようです。占星術には長い歴史があり、深い叡智を感じます。

さて、私の占い内容は置いといて、彼女からの興味深い話を聞きました。占い師として以前はメディアにでるくらい有名であった彼女がなぜフィリピンに来たかというと、その理由は日本の介護問題にありました。依頼主から様々な悩み事を打ち明けられるのですが、その中で辛い相談事の一つが、親の介護についてだそうです。在宅介護に疲れ切り、先の見えない介護のスパイラルにはまってしまった介護者から『私の親はいつ死にますか』という相談が一番辛いと話してくれました。

私自身、数年前に父親をがんで亡くしました。がんの宣告を受けてから家族の状況は一変し、すべてが父親の看病を中心とする生活になりました。父親の病状で一喜一憂をする日々は薄氷を踏む思いで、本当にいつ家族のバランスを失ってしまうのかわからない状態でした。なので、在宅介護に疲れ切った中年の息子さん、娘さんの気持ちはよくわかります。

日本の介護を取り巻く状況に光が見えず、海外から介護問題を解決する方法はないかと考えて、フィリピンに来られたようです。意外なところで私と想いが一致して、それからは介護と占星術という一見すると全く異なる分野から、これからの日本の介護について議論を深めています。

 

話は変わりますが、私はフィリピンの高齢者施設を調査しています。介護後進国のフィリピンに日本の介護問題の解決策があるのではないかと考えているからです。そこで面白い光景に出会いました。日本のグループホームのような施設に介護ボランティアをしていた時のことです。居室でオムツ交換の見学をしていると、突然白い服をきた初老の男性が本を片手に入ってきました。フィリピン人スタッフは全く気にせずオムツ交換を続けていたので、私も傍観をしていると、その男性は本を読みだしました。後で話を聞いてみると、地域に住むその初老の男性は、毎週日曜日にボランティアで聖書を読みに来てくれるようです。

 

オムツ交換の時に聖書を読まなくても。。。とツッコミどころはあるのですが、本人はとても真剣に聖書を読んでくれてました。タガログ語なので内容は分かりませんが、おそらくは人としての生き方やあり方についての話だろうと想像します。

また、別の高齢者施設で、韓国の宗教団体が運営し、身寄りのないお年寄りをケアしている施設があります。様々な理由で路上生活をしていた高齢者の方々が生活をしています。もちろん入居費用など支払えませんのですべて無料です。個室もなく、訪ねてくる家族もいませんが、入居者の皆さんはとても穏やかな表情をしています。私にはそれが不思議でなりませんでした。私なりに理由を探ってみると、施設に住み込みでケアを行っているシスターの高い精神性、そして、1日2回みんなで集まって行う祈りや、日曜日に行うミサが、入居者やケアスタッフに安らぎを与えているのではないかと感じました。

 

 

日本は、先進国であり物理的には進んだ国です。しかし、生老病死の苦しみに直面した時に、寄り添える何かが足りない。それが宗教なのか、心理学的な心のケアなのか分かりませんが、その何かを探って創り上げていくことが、日本の介護問題解決の糸口になるのではなかと感じています。フィリピンはいつも、私にいろいろなことを考える機会を与えてくれます。

 

 

メールと名刺の行く末

半年に1度のペースで、マニラ日本人交流会、通称『ワインの会』を開催しています。2013年から始めましたので5年間続いている交流会です。そもそもの始まりは、私がまだ30歳になったばかりの時に、同じ年の某通信大手にお勤めの駐在員と一緒に『アラサーの会』をはじめました。アラサーの定義を20~30代として、マニラで働く同世代に声を掛けて定期的に集まっての飲み会です。徐々に人数が増えていき40~50人くらいまで規模が拡大しました。

『アラサーの会』の認知度が高まるにつれて私の元のこのような苦情が届くようになりました、『私は40代なのでアラサーの会に参加できません、福井さん、なぜアラフォーの会を開催しないのですか』と。同様に、50代の方からは、『なぜ年齢制限をすのですか、アラフィフの会も開催してください』、しまいには60代からも『アラシックスの会を!!』という声があり、このままでは収集がつかないため『ワインの会』というどの世代の方にも参加できる交流会を始めることになりました。

現在のマニラ日本人コミュニティでは、頻繁に『80年生まれの会』『82年生まれの会』『74年生まれの会』などなど細かく年代を分けての交流会があります。同世代ならではのトピックスもありますし、それはそれで楽しい交流会ですが、私の場合は以上の理由のため全世代を対象とした交流会を行っています。

 

今回も20代から60代まで幅広い方々にご参加いただきました。

(写真を撮ったのがイベントの後半であったため50代~60代の方々は気分よく酔って既にお帰りになっていました(笑))

 

さて、このような交流会を5年間も開催していると時代の変化を感じることがあります。それは、コミュニケーションツールの変化です。『ワインの会』開催当初の2013年から、会の案内はメールで行っています。ただメールでの一斉送信ですと、迷惑メールに入って見落としてしまったり、すでに帰任されている場合のアップデートが必要だったりなど、不自由な点があります。そこで、最近ではメールと併用してフェイスブックを使っての告知もしてます。主に20代~30代の方には有効な手段で、フェイスブックのメッセンジャーで簡単にシェアもできるため拡散力があります。

 

 

上記のグラフを見て分かるように、現在の10代20代はメールよりもSNSを活用しています。メール世代は私たち30代以降になります。20代の方が言ってました『メールはメンドクサイ』と。確かに、メールのやりとりを何度も繰り返すよりも、SNSを使ったほうがサクサクッと話が進んでいきます。今の20代が社会の主力になる10年以内には、メールはあまり使われなくなる世の中になりそうですね。

そして、名刺です。時代の流れが速い現代において、名刺に書かれている情報もすぐに古くなっていきます。転職したり、職種が変わったり、複数の仕事を同時に行っていたりとすると、名刺で毎回アップデートするのは難しいですね。所属や肩書、職種よりも、本人にフォーカスしたSNSで繋がっていたほうが、自然とアップデートできて便利です。『私はSNSやりませんので』なんて言っているとどんどん時代から取り残されていきますね~。『ガラケーに慣れているので、今更スマホは使えません』と言っている人と同じくらい時代遅れになっていくかもですね。

ガラケーで思い出しましたが、かたくなにスマホを使うことに拒否し続けていた60代の経営者の方が、周りの圧力にとうとう屈服しスマホを使うようになりました。その方から写メ(この言葉もそろそろ死語になりそう)が送られてきたいのですが、なんと手書きのメモを写真で撮って送ってきたいのでした!!その方曰く、文字の打ち方が分からないが、写真だけは撮って送ることができるので、相手からのSNSの内容を読んで、返信は手書きのメモの写メで行っているようです(笑) 新しい形のコミュニケーションですね(^^;)

テクノロジー最先端の中国では、SNSといえば、動画ではなくライブ配信が主流になりつつあるようです。中国のテクノロジーの発展はすごいですね、支払いはキャッシュレスが当たり前。中国人の友達の話では、物乞いも現金は受け取らないで、スマホで課金してもらうとか。偽札の心配もなくキャッシュレスの方が断然便利だそうです。

このように時代はどんどん変化していっています。スマホの次のコミュニケーションツールはVR(バーチャルリアリティ)と言われています。仮想現実ですね。それが実現する日もそう遠くはないようです。その次は、テレパシーでしょうか?冗談に聞こえるかもしれませんが、私の高校時代のポケベルから今のスマホの変化はかなり劇的でした。それ以上の変化のスピードですから、何が起こっても不思議ではありません。大切なのは常に自分自身を変化(アップデート)し続けていくことだと思います。世代をまたいだ交流会は、自分の今の立ち位置を確認するよい機会になりますね。