海外介護

介護教育の先にあるもの——魂の成長という視点

インドからのメッセージ

LinkedInに、インドの送り出し機関の代表からメッセージが届きました。

「あなたが自分の経験を意味あるものへと変えていること、そこに心を引かれました。困難な経験をする人は多くいますが、そこから本当に学び、価値あるものを築ける人はごくわずかです」

会ったこともないインドの方が、なぜ私の物の捉え方に興味を持ってくれたのでしょう。

おそらくその答えは、私が介護を単なる仕事や技術としてではなく、魂の成長の営みとして捉えているからだと思います。

介護を学ぶ目的は、段階的に変わっていく

外国人ケアワーカーにとって、介護はまず「海外就労のための手段」です。日本で働きたい、家族を養いたい、より良い生活を手に入れたい。

日本に入国すると、その目的は少しずつ変化していきます。国家資格の取得、長期雇用、キャリア形成を通じて、日本での生活を安定させるための手段へと変わっていく。

しかし、介護の仕事を続けていると、就労やキャリアだけでは語れない学びに出会うことがあります。

  • 誰かの最期に立ち会ったとき。

  • 自分では動けなくなった人の尊厳を守ろうとする、家族の深い愛情に触れたとき。

  • 認知症で言葉を失った人と、心が通じ合ったとき。

そうした経験の積み重ねは、私たちの人生観そのものを変える力を持っています。

介護は、与えるだけの行為ではない

介護とは、ケアする側が一方的に与える行為ではありません。ケアされる人からも、多くのことを受け取る相互の営みです。

そのことに気づいたとき、介護の見え方は大きく変わります。

私が「介護職人」と呼ぶ人たちは、例外なくその境地にいます。日本の介護の素晴らしさは、全国各地にそうした介護職人がいて、日々黙々と現場を支えていることだと思っています。

語る人の視座が、言葉の重みを変える

もちろん、人の成長には段階があります。まずは就労のために学び、次に定着のために努力する。その積み重ねが大切です。

それでも私は、介護を語るときの視点を大切にしています。同じ内容を教えるとしても、語る人の視座によって、言葉の重みは変わるからです。

今は理解できなくても、介護職として経験を積んだ後に、ふと昔聞いた言葉を思い出すことがある。私はそんな小さな種を、受講生たちの心に残したいと思っています。

就労・定着という目的だけだと、教える側が教わる側を引っ張るイメージになります。しかし、魂の成長という視点から介護を捉えたとき、教える側も教わる側も対等な立場にいることが分かります。

私はよく、生徒から「先生もがんばって、応援しています」と言われます。生徒から応援されるのは奇異に思われるかもしれません。しかしそれは、私自身も介護の仕事を通して、自分にチャレンジしていることを感じ取ってもらったからだと思っています。

入国前の介護教育は、みなやる気にみなぎっており、言葉が届きやすい土壌があります。介護を学びたい人に介護を教えられる喜びを、私自身も味わっています。

仕事が始まれば、現場の葛藤や人間関係、身体的な疲労など、さまざまなネガティブなことがあるでしょう。

しかしその先に、魂の成長がある。

あとから開く小包のように、そのことを彼女たちの心に届けたいと思っています。

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