——日本文化でKaigoを包んで、世界に届ける現場から
日本の介護を世界に届けるには、介護だけを教えても届きません。
私は、日本文化にKaigoを包んで届けることを戦略にしています。
その象徴として選んだのが、「寿司」でした。
外国人が思い浮かべる日本の象徴のひとつが、寿司。
であるならば、寿司を使わない手はありません。
まずは現場で巻く。考えるのはその後。
介護と寿司をどのように結びつけるかは曖昧なまま、とりあえず介護現場に出て寿司を作ってきました。
頭より先に身体を動かして、現場で考える。それが私のやり方です。
さすがに5〜6回もやると、おおよその流れが見えてきました。
皆、寿司づくりには興味があるようです。
全員がひと巻きずつ体験することで満足感が得られます。
ロール寿司で一番難しいのは切る作業です。
この部分だけ熟練した人が行えば、他の工程は誰がやっても修正できます。
これまで施設のご高齢者や障害を抱える方も参加しましたが、皆さん楽しく寿司づくりをされていました。
満足度を10%上げた、昭和50年代の舟盛り
3回目以降、舟盛りを導入しました。
フィリピンの介護施設には美しい盛り皿がなく、出来上がりを収めるフォトタイムの盛り上がりがイマイチだったのです。
そこでメルカリで、昭和50年代にかっぱ橋で購入されたという年季の入った木製舟盛りを手に入れました。
案の定、舟盛りの登場で完成後のフォトタイムが一気に盛り上がり、参加者の満足度が10%は上昇したはずです。
さらに日本の介護仲間から2隻寄贈いただき、現在3隻の舟盛りがわが家に停泊しています。

寿司は、認知症予防の教材になる
介護施設で寿司クッキングが盛り上がることは分かりました。
あとは、介護教育とどう結びつけるかです。
前回は、認知症予防のレクチャーと組み合わせました。
認知症予防につながる活動のひとつとして、料理があります。
皆で料理を作り、五感を刺激する。
さらに、作った後にその工程をみんなで思い出すことで、認知症予防につながる活動として活用できます。
全員に寿司ロールをひと巻き体験してもらい、その後のレクチャーで工程を思い出すゲームをしたところ、思いのほか盛り上がりました。
寿司クッキングをただ楽しいイベントで終わらせるのではなく、認知症予防と組み合わせることで、学びの時間に昇華できたのです。
二人羽織で、「介助される人」の気持ちを学ぶ
それだけにとどまらず、作った寿司を使って二人羽織も行いました。
日本の伝統ゲームの紹介と共に、食事介助を受ける人の気持ちを理解するという、日本文化を活かした介護教育です。
最後に、舟盛りにのった寿司をみんなで食べる。
介護、認知症予防、二人羽織、そして寿司。
イベント盛りだくさんの大漁です。
半日で完結する「日本の介護を世界に届けるサービス」
大体3〜4時間、半日コースとして、介護と寿司を組み合わせた「日本の介護を世界に届けるサービス」がきれいにまとまりました。
引き続き、介護×寿司イベントの実践を重ね、精度を高めていきます。
そして、フィリピンだけでなく他国からも、「介護寿司職人」としてお呼びがかかるよう、これからも現場で技を磨きます。
