フィリピンでの生活

池の水その後。。。

以前こちらのブログでもお伝えしました『緊急SOS 池の水全部抜く』は無事に放送されました。初海外からのSOSということで3時間スペシャルで取り上げてもらいました、テレビ東京さん、ありがとうございます!!今回の池の水全部抜くのプロジェクトに関わり、改めて【異文化理解】の奥深さについて学びましたのでシェアさせていただきます。

 

フィリピンの国立公園にある日本庭園。この庭園は元は日本の団体である『一般財団法人 フィリピン協会』が作ったものです。その後、日比友好のために、こちらの日本庭園をフィリピン政府に寄贈しました。従って、日本庭園という名前はついていますが、所有者はフィリピン政府となります。

 

 

ところが、フィリピン政府管轄の国立公園開発委員会の管理があまり行き届いていなく、池の水がどんどん汚くなってしまいました。そこで、日本庭園を定期的に掃除をしている日本のボランティア団体、『マニラ会』を通して、番組にSOSを送りました。送り主は私です。

私はこう考えました、〝フィリピンの国立公園開発委員会はお金がなくて池の水をきれいに掃除が出来ない、ならば日本のテレビ番組にお願いして池の水をきれいにしてもらおう!そうすれば、きっとフィリピン人に喜んでもらえるはず〟そういう想いで番組に応募しました。

ところが、私の想いとは裏腹に公園スタッフは積極的に協力をしようとはしてくれませんでした。〝なぜなのだろうか?〟この提案は、日本サイドのお金で池の水がきれいになって、フィリピンにとっては嬉しいはずなのに。。。もしかしたら、池の水を抜くことで、公園スタッフにとっては余計な仕事が増えるのを懸念してかと思い、私は『池の水を抜く許可だけくれればあとはすべてこちらで対応します!』と約束をして半ば強引に推し進めていきました。

 

 

そして、当日

 

順調に池の掃除も進み、マニラ在住の子供たちも喜んで魚を捕まえたり、泥遊びをしたりと楽しんでいました。一方、フィリピンの公園スタッフは、約束通り?一切関わってきませんでした。

 

 

とにかく、大量に取れる外来種のティラピア

 

衝撃の5000匹以上です!!

 

ティラピアはフィリピンでは食用として有名であり、市場に行けば買えます。

 

ところで、なぜこんなにも日本庭園の池の中にティラピアが大量にいるのか、不思議に思いませんか?私はこの企画を進めるにあたり、その理由を長く庭園を見守ってきたマニラ会の会員に尋ねてみました。その方の回答は、〝池の水は地下水をくみ上げているので、その中にティラピアの卵が混ざっていて、それが繁殖しているから〟とのことでした。もっともらしい理由で私も納得していました。

 

 

しかし、猛獣ハンター加藤先生から衝撃の事実が明らかになりました。なんと!!

 

そうだったのかーーーー!!!!ティラピアを養殖していたという衝撃的な事実が明らかになりました。確かに、夕方頃に日本庭園をのぞいてみると、公園スタッフが釣りをしている姿を何度か見かけました。あんなに汚い池の中にいる魚を捕まえて、まさか食べるという発想はまったくなかったので、ただの暇つぶしで釣りをしているのだと思ってやり過ごしていました。

しかし、意識的に誰かがティラピアを池に放流し、育てて捕まえて食べていたとは!!!私はその事実が信じられず、加藤先生に〝地下水から卵が繁殖して増えたのでは?〟という説をぶつけてみましたが、〝それはない!!〟と断言されてしまいました。

(ロケ後の打ち上げの様子、この席で加藤先生に確認しました。。。)

 

 

捕獲後の大量のティラピアはすべてフィリピン人ワーカーが持って帰りました。数が多すぎるため、公園のガードマンや清掃スタッフにも配ったようです。

 

これで、なぜフィリピンの公園スタッフが非協力的な理由が分かりました。日本庭園はティラピアの養殖場だったからです(笑) 池が濁っていたためその事実が分かりませんでしたが、池の水を抜いてみて明るみに出ました。もちろん全ての公園スタッフではなく、一部の人たちが養殖池として利用していたのだと思いますが、これは全くの想定外の出来事でした。。。

 

 

フィリピンに来て約7年。まだまだこの国を理解するには時間が必要だと痛感した出来事でした(^^;)