フィリピンの都市3か所を回る、認知症啓発キャラバンを行います。
キャラバンとは、砂漠などを集団で移動する「隊商」の意味です。認知症に関わるスペシャリストがグループになって、各地を回り、認知症啓発活動を行います。
今回は、認知症紙芝居を導入する介護士養成学校LifeLineと、イギリス発祥の認知症啓発団体パープルエンジェルの共同開催になります。
フィリピンの3拠点(イロイロ市、ロハス市、シライ&バコロド市)を3日間で巡回します。日本で例えると、神奈川・静岡・東京を3日間で回るようなイメージです。途中、島を渡るため船での移動もあります。

◆イベントを成り立たせる3つの構成要素
パープルエンジェルの認知症啓発イベントを数多く開催し、私たちはようやくイベントのフォーマットができてきました。そのフォーマットは3つの構成要素でなりたっています。
1つ目が、医療の専門家による講演。 2つ目が、脳トレダンス。 3つ目が、認知症紙芝居、です。
フィリピンに限らず、世界の多くの国では認知症は医療の文脈で語られます。したがって、認知症のイベントに権威を与えるのが、医療の専門家による講演です。
しかし、専門家の講演会だけでは、医療従事者は集まっても、一般の人たちにはなかなかリーチできません。そこで、エンタメ的な要素が必要になります。それが、ダンスです。
ただのダンスだけではなく、脳の働きと関連する脳トレダンスです。最初にダンスを行って会場を温め、最後にもう一度ダンスを行って会場の一体感を醸成します。
そして、専門家による講演とダンスを繋ぐ橋渡し的な役割を担うのが、認知症紙芝居です。
◆認知症紙芝居は「中継ぎエース」
イベントの観点から認知症紙芝居を因数分解すると、「教育」と「エンタメ」です。
医療知識のない一般の人にもわかりやすく、かつ、楽しく学べることが求められます。そのために大切なことは、紙芝居の世界観を作り上げることです。この世界観づくりはまだ途上ではありますが、少しずつできてきました。

認知症紙芝居は、医療の専門家と楽しいダンスを結びつける、重要な役割を担っています。野球で例えるのなら、中継ぎエースですね。イベントの中盤、観客が飽きて中だるみしてきたところに、新しい刺激を投入する役割です。
これまでの失敗を踏まえて、紙芝居ショートバージョンも作りました。
会場の雰囲気、イベントの流れ、観客の属性に合わせて、トピックスと尺を変えていきます。手札が増えた分、より柔軟に対応できるようになりました。中継ぎに求められるのは、柔軟性です。
◆キャラバンの仲間として、世界へ
今回のキャラバンには、オーストラリアから専門家が視察に来ます。イベントの内容を見て、気に入ってもらえるようであれば、オーストラリアでの開催も視野に入れています。
認知症啓発キャラバンは、認知症への理解を広めるための地域密着型の取り組みです。場所は問わず、どこへでも開催できるのが強みです。
日本の介護を単体で世界に出していくのは、なかなか難しい道のりです。しかし、キャラバンの仲間に加わり、グループで出していけば、日本の強みが活かせるのではないかと考えています。
まずは認知症紙芝居で突破口を開き、いずれ世界に出ていく日本の素晴らしい介護職人の皆さんの、「世界進出」のお手伝いができればと妄想しています。
